毎年この時期の恒例記事となってきましたが・・・
今年も行ってまいりました!
✨黒部川第四発電所(黒部ルート)見学会✨
黒部トンネルから黒部川第四発電所へ降りる インクラインからのトンネル風景。 傾斜は34度あります。 |
見学のルートは下記のとおり、様々な乗り物を乗り継いで欅平へと向かいます。
毎年、この黒部ルートについては参加した山ガール先輩方がBLOGへレポートしてくれているので、是非そちらもご参照くださいませ。
●2016年 ともかレポート
●2017年 れいりレポート前編 後編
●2018年 しおみんレポート
①黒部ダム(1470m)〜インクライン上部駅(1325m)
距離:10.3km
移動手段:黒部トンネル内専用バス (関西電力)
トンネルの外は黒部の秘境! 秋にひと月ほど開通する登山道、下ノ廊下がある場所です。白竜峡、十字峡 半月峡 S字峡などの絶景峡谷がある場所です。
が、今日はトンネル内を行きます。途中バスを降り、タル沢横坑という換気用の横穴を歩きます。
タル沢駅からトンネル内部はゴツゴツしていて鍾乳洞のようです。 |
横坑の先に出ると、正面に裏剱岳が望めるはず・・・ なのですが、あいにくの雨、ガス。 どうやら自力で見に来いと言われてしまったようです。 |
横坑内各所に見られた白いつららのようなもの。 コンクリートのカルシウムが溶け、二酸化炭素に反応してできた 炭酸カルシウムがつらら状に固まったものだそうです。 |
②インクライン上部駅(1325m) 〜インクライン下部駅/黒部川第四発電所(869m)
距離:815m
移動手段:インクライン
銀色の乗り物がインクラインです! 貨物輸送装置なので、人の乗るこの箱は取外し可能。 大きなものを運搬する際は取り外し、 このスペースに乗せて運搬するそうです。 |
インクラインを降りると、いよいよ本日の核心部である「黒部川第四発電所」があります。
この日は4基ある発電システムすべてが稼働していました。 70年代のスパイ映画などで見た研究施設のよう! |
この日、発電所見学へ向かう前に、日本が2030年に向けて取り組むエネルギーミックス(※多種多様な発電方法でバランスよく電源構成し、電力の安定供給を目指すこと)についてのお話を伺いました。黒部川に作られた12もの発電所が行う水力発電は、太陽光、バイオマス、地熱、風力などとともに、2030年には電源の22〜24%を構成する見通しの再生可能エネルギーに含まれます。
③黒部川第四発電所前(869m) 〜仙人谷駅〜欅平上部駅(800m)
距離:6.5km
移動手段:上部専用鉄道(トロッコ列車)
発電所を後にし、トロッコ列車で次に下車したのは仙人谷駅。駅からは正面に仙人ダムを臨みます。
当初十字峡付近に建設が予定されていましたが、 黒部峡谷が中部山岳国立公園への指定を受けたため この場所に建設されたそうです。 |
数日の雨のため、水量は非常に多く怖いくらい。 峡谷の岩肌も圧巻です。 |
ちなみに、有名な「高熱隧道」はこの仙人谷駅の先にあります。現在は下流の発電所へ水を送る導水菅などが通っていることもあり、温度は40度ほどとのこと。
④欅平上部駅(800m) 〜欅平下部駅(599m)
距離:200m
移動手段:竪坑エレベーター
いよいよ欅平に到着し、欅平堅坑展望台へ向かいます。
天気がよければ緑美しいであろう山々も 今日は墨絵状態です。 |
⑤欅平下部駅(599m) 〜欅平駅(599m)
距離:500m
移動手段:下部軌道(工事用トロッコ列車)
奥から下部軌道がやってきます。 トンネル内をたくさんの方が作業、行き来されていました。 |
黒部ルートの見学はここで終了。この後はトロッコ列車にのって宇奈月へと向かいます。
⑥欅平駅(599m) 〜宇奈月駅(224m)
距離:20.1km
移動手段:黒部峡谷鉄道本線(トロッコ列車)
宇奈月駅まで向かうトロッコ列車 |
欅平駅に展示されていた 「高熱隧道」作者 吉村昭氏の直筆原稿と愛用万年筆。 |
黒部発電所の建設においては、当時かつて類をみないほどの難工事の連続で、映画や小説としてもその記録が残っています。「高熱隧道」を読んでいたこともあり、数々の困難を知恵と努力で克服した先人がいたことに思いを馳せ、非常に感慨深い約4時間の見学会でした。
Seedless ✨(シードレス)