2018年6月30日土曜日

”クロヨン”に潜入!!大人の社会見学『黒部ルート』へ

先日から観光放水が始まった黒部ダム。その黒部ダムの水で水力発電を行う
黒部川第四発電所(通称"クロヨン")を見学出来る黒部ルートへ!!
普段は行くことの出来ない場所にドキドキ、ワクワク😍

『黒部ルート』とはクロヨンの建設などに伴って、
関西電力が工事専用軌道として昭和30年代前半に整備したもので、
現在は発電施設の保守・工事用として使用されている
黒部ダム~くろよん~欅平の間18kmを地下でつなぐルートです。

見学会は欅平出発コースと黒部ダム出発コースがあり、
昨日は黒部ダム出発コースへ参加。
駅構内の何の変哲もないドアを開けると、、
そこは黒部ルートへ繋がる秘密の通路でした😲
ヘルメットを装着し、バスに乗り込みます🚌

途中で一度バスを降りてトンネル内を歩きます。歩く部分はタル沢横抗。
『横抗』とはトンネル内の換気用の空気を取り入れたり、
工事で出た土砂を排出する為に掘られた横穴で、黒部峡谷に口をあけています。
数少ない、外に繋がっている部分ということですね。
横抗を抜けた先には
なかなか見ることのできない角度からの剱岳!!
真ん中にいっぱいある雪が『三ノ窓氷河』です。
徒歩で横抗を見学した後は、再びバスへ乗り込み、説明に耳を傾けます。
その中でビックリしたのが、
こちらのトンネルは約10kmを上流と下流から掘り進めて作ったそうで、
貫通する時の誤差が心配だったそうですが、誤差なんと4cm😲
こんな山奥の、今ほどの測量技術がないなかでの誤差4cm!!
因みにこのトンネルと平行して走る導水路は誤差2cmだったそうです。

その後は『インクライン』という乗り物へ。
インクラインとは斜面に沿って軌道を設け、資材を運搬する設備で、
黒部トンネルの作廊側と、発電所を傾斜角度34度で接続。
動く仕組みはケーブルカーと同じだそうです。
乗っている時間は20分程で、冬の黒部の様子や、
中島みゆきさんが紅白歌合戦で
くろよんから中継した時の映像を見れます。

真ん中ですれ違えるようになってます。

インクラインを降りると、黒部川第四発電所へ到着。
冬期の雪害防止と、中部山岳国立公園の自然景観維持の観点から、
地下150メートルに作られています。


4つ並んでいるのが発電機で、上のランプが光っているものが稼動中。
本日は4基全部稼動していました。
稼動0%からMAX100%に必要な時間が短くて、
コントロールしやすい発電源だそうです。

こちらの水車に横から水をあて、水車を回転させて発電するとのこと。

水車の羽を拡大

こちらは制御室ですが、なんと無人です。

実際に発電機が稼動している様子で、
ドアを開けて中にも入らせてもらいました。
この上の部分に、先ほどの水車がついており、
高速で回転しています。音、風ともに凄かった!!

こちらは中島みゆきさんの記念品

昼食を挟んで次の場所へ移動です。『上部専用鉄道』と呼ばれる乗り物へ。

橋の上に駅があり、途中下車します。
関西電力の前身である「日本電力」という会社時代に建造した仙人谷ダム。
反対側には黒部川を見ることができ、ここからの景色は絶景✨✨
ワガママを言って良いなら、紅葉シーズンに見たかった 笑

知る人ぞ知る登山道、『下の廊下』は
写真に見える堰堤の上を歩くそうです。
雨季だからでしょうか、水量が多い黒部川

景色を堪能した後は、再び上部専用鉄道へ。ここから先は、
昭和14年に、仙人谷ダム建設のために造られた輸送ルートだそうです。
世紀の大事業といわれたクロヨン建設にも劣らないような難工事だったとのこと
トンネルを掘っている途中で約500mにわたり、
岩盤温度が160℃に達する高熱地帯に遭遇。
トンネルを掘る作業員の後ろから、ホースで水を掛ける作業員がいたそうで、
ダイナマイトが自然発火する大事故の発生もあったそう。
今でもそこを通ると、トンネルの中とは思えない温かい空気が入ってきます。
他にも雪崩で犠牲になられた方などのお話を聞いているとあっという間に目的地へ。
欅平駅からすぐの炭坑展望台から見える後立山連峰

急峻な地形で鉄道を延ばすことができなかったことから、
山の中腹に垂直に貫く竪坑エレベーターがあります。
200メートル下へおり、最後に少し工事用トロッコに乗って欅平駅到着です。

欅平駅から宇奈月駅までも、様々な説明をしてもらいながらトロッコで移動。
残念ながら天気が悪くなってしまい、写真は撮れませんでした。。

過酷な自然との戦い。それでも諦めなかった人間の英知の勝利。
そんな過去に思いを馳せ、胸を熱くしてくれた『黒部ルート』見学。
今年度の受付もまだ間に合いますので、
興味を持った方はぜひこちらから応募してみて下さい😉💕

そしていよいよ明日は立山夏山開き🎊
立山登山キャンペーン
らいちょう願い箱の設置が始まりますのでお楽しみに🎶

しおみん

2018年6月29日金曜日

【定期報告 ~ 室堂平は今!】6月29日版★高山植物・お花いよいよです!!

連日雨☂だった室堂、朝は山にガスがかかったスタートでした。
愛らしいハクサンイチゲ第二陣が咲き誇っております!

10時半を過ぎた頃、立山が見え始めたので最新定期報告のためフィールドへ! 2日間連休をいただいて、立山を離れていたので、変化を目にするのが楽しみです🎵

フィールドを歩き始めての感想は・・・
「雪がまた少なくなってる!!」

「風が強くても寒くない!」

今日は半袖の夏シャツに裏起毛のパーカーで外へ出ました。曇りであることと、風が強かったので寒いかな?と思ったのですが丁度よかったです。ちなみにフィールドの気温は15度くらいでした。

フィールドへ上がる正面階段も使えるようになりました!


曇りですが富山平野は良く見えています



みくりが池までの石畳は、平地箇所にあと少し雪が残っています。

1週間ほど前の定期報告では
下がぐるり雪に囲まれていた供養塔

「みくりが池」へ降りる道は除雪がなされ、歩きやすく石畳になっています。 


石畳を降りると「みくりが池」


「みくりが池」へおりる最初の石畳を降りたところに群生する黒百合

「みくりが池」周りにたくさんあるハイマツは、今年の雌花がご覧いただけます。昨年出来た球果は、順調に成長をしていて今年の秋には松ぼっくりになります。2年かけてゆっくり育っていきます。

ハイマツの赤いものは今年の雌花です

大きな球果は昨年の果で2年かけて熟すそうです

「みくりが池」は、冬に降り積もって氷のような塊となった雪の欠片が、昨日の雨風で端寄ってしまっています。

昨日は台風のような強風だったそうです

氷のように固まった雪はなかなか融けにくいのですね

現在「みくりが池」のぐるり一周には、雪は残っておらず、石畳を歩くことができます。



雷鳥沢との分岐点を右へ進むと両サイドにハクサンイチゲのお花畑がみられましたが、同じ場所に今はコバイケイソウが咲き始めています。
立山と浄土山を正面にした両サイドです

今年は当たり年ともっぱらの噂のコバイケイソウ(小梅蕙草)
花言葉は「遠くから見守っています」

49番ベンチの手前にはミネカエデの花が咲いていました。黄緑色のものが花です。

ミネカエデ(峰楓)の花
花言葉は「他人からの好意」

ロマネスコみたいな蕾?
どんな花が咲くのでしょうか・・・
室堂山荘までの道すがら、まだまだたくさんの高山植物の花たちを楽しんでいただけます。

群生するヤマガラシ(山芥子)は元気な黄色
花言葉は「活発」

小さくて可愛らしいイワカガミ(岩鏡)のピンク
花言葉は「忠実」

ミツバオウレン(三葉黄蓮)
花言葉は「栄誉」

雪融け前は室堂平への分岐道だったルートは
もう通れなくなっています



谷沿いの雪も随分減ってきています



室堂山荘への登りの石畳もすっかり雪はありません



室堂山荘の手前ではコシジオウレン(越路黄蓮)が咲いていました
花言葉は「変身」「揺れる心」


室堂山荘前の石仏も雪が解けて出て来ています。



室堂山荘前からターミナルまでは、まだ雪の残ったフィールドが続きます。



表面が融けた雪に塵で模様が描かれ、アートのようになっていて面白いです。

雪のアート


真っ白の雪の世界から緑へ、そして今は色とりどりの花が咲き、これから夏がやってきます。

真っ白だった室堂平がカラフルな季節になりました


刻一刻と移り変わる景色をみていると、すべては移り変わるという自然の法を感じずにはいられません。
訪れるお客様たちも、ただ座って景色を眺めているだけで何時間いても飽きない・・・と話していらっしゃいました。

Seedless (シードレス)


2018年6月28日木曜日

『soto』本日発売! & 山じい散歩 in 岩峅寺

本日も室堂は雨☂
昨日から今朝は霧が濃く、何も見えませんでしたが、
ゆっくりとお天気は回復に向かっているようで、室堂平も少しずつ景色が見えてきています。

昨年、取材に同行させていただきました
アウトドア雑誌『soto』本日発売です!!!
(昨年の取材の様子はこちら、またはこちらをご覧下さい。)


こんなお天気の中、編集部の方がはるばる東京より室堂まで
持ってきてくださいました!ありがとうございます!

大事にします!!!

16ページにわたり、立山の魅力をたっぷり紹介していただきました。 
皆様の夏の山旅にお役立ていただけると嬉しいです♪

* * * * *

先日、お休みで街に下りた山じいは、
岩峅寺(いわくらじ)にある雄山神社前立社壇へ。
(撮影日:6月27日 アクセス:富山地方鉄道「岩峅寺」駅で下車、徒歩10分)

雄山神社は、立山の頂上にある『峰本社』、芦峅寺にある『中宮祈願殿』、岩峅寺にある『前立社壇』の三社殿から成り立っています。

雄山神社前立社壇 本殿

前立社壇は、立山の頂上にある峰本社の『里宮』として建てられました。
武将や公家からの信仰も篤く、古来より「立山権現」への献上品はこちらに奉納されていました。

ちなみに岩峅寺、芦峅寺に使われる『』と言う字には、
『神さまの降り立つ場所』と言う意味があるのだとか。

立山信仰の入り口に位置しているので、本殿を挟んで両脇に鳥居と神門があるのも特徴のひとつです。

表神門側の鳥居
厳かな空気が流れていますね。

表参道入り口には、昭和天皇の『御歌碑』がございます。
左:雄山神社にある御歌碑     右:三ノ越にある御歌碑

表神門
裏神門側の鳥居
裏参道から裏神門へ


本殿の近くには『夫婦杉』がございます。
別々の樹のように見えますが、地中では根を共有しているそうです!👀

この夫婦杉は、安産祈願(丈夫な子供と夫婦の固い絆)、縁結び(生涯を共に)、
夫婦円満(たゆまぬ共生)にご利益があると言われています。

神社の近くには常願寺川が流れています。
常願寺川の清流すべてが『とやまの名水』だそう!👀



こちら昨年『ブラタモリ』で、タモリさんがご覧になられた
常願寺川の扇状地のはじまり『扇頂部』も
岩峅寺で見ることができますよ♪
アルペンルートと併せて、ぶらり途中下車の旅もいかがでしょうか?😊

れいり