2017年9月5日火曜日

『外来植物除去作業』をお手伝い♪

9月3日に室堂で行われた『外来植物除去作業に参加させていただきました!

植物に詳しい先生をお招きし、植物の解説も交えながら作業開始です。

外来植物とは…
①外国から入ってきた植物(国外原産の植物)
②国内の低地・地域外から入ってきた植物
…のことをいいます。

本来、立山一帯に生育していない植物の種が、街から上がってくる車両、
工事用の土砂、私たちの衣服や靴の裏に付いて、この高地まで運ばれる
ことによって繁殖しています。

外来植物が繁殖・拡散してしまうと、本来生育している植物の生育地が
奪われてしまい、結果的に生態系が壊されてしまうおそれがあります。
その影響を少しでも抑えるため、定期的に作業が行われています。

見分け方を教えていただきながら、私も除去作業をお手伝いしました。



土に大きな穴が開かない範囲で根から除去する場合もありますが、
土に大きな穴が開いてしまい、土壌をかく乱してしまうおそれもあるので、
剪定ばさみ等で根元から切って除去する場合が多いようです。


除去作業のため許可をいただいて、いつもは立ち入ることができない園地の
ロープ内でも作業します。
作業される方は、土壌を荒らさないように靴底がやわらかい長靴などを履き、
ところどころにある石の上や植物が生えていないところを移動していました。


<除去した植物その1:スギナ>
ツクシが成長した後に出てくる栄養茎。
地下深くに根茎を伸ばすため「地獄草」とも呼ばれる。(byウィキペディア)
難防除雑草と言われ、低地の畑でも高地でもこのスギナの除去に、みなさん
苦労しておられるようです…。

根茎を除去するのは土壌かく乱を伴うため、栄養茎を根元から引き抜いて
分布拡大を抑えます。




<除去した植物その2:イタドリ>

イタドリの葉。葉の基部が直線的な切型なのが特徴。
小さな株、大きな株、たくさんありました!
葉の付け根に花が咲くのも特徴。
こちらはオオイタドリ。
葉の基部は丸く、花の付き方も違います。
比べてみると違いがわかります。


<除去した植物その3:セイヨウタンポポ>
セイヨウタンポポ。葉を触るとツルツルしています。
こちらは高山植物のカンチコウゾリナ。
花がないと見分けしづらいですが、
葉を触るとザラザラしています。

先生がセイヨウタンポポを発見!
しかし、すぐそばに高山植物のヨツバシオガマも咲いています…。
ヨツバシオガマを守りつつ、セイヨウタンポポだけを除去します。
この作業は少しむずかしそうなので、先生がお手本を見せて下さいました。

写真のタンポポは、まだ花が終わった状態ですが、
タンポポの花が綿毛になっている場合は、
種が飛んでしまわないよう、手で包むようにして先に採ります。
先生オススメ、細めのスコップを使います。
2、3ヶ所にスコップを挿して、根から除去します。
採れましたー!
除去したセイヨウタンポポは、細かく分けると7株ありました。

1つの株に2~3つ花が付き、1つの綿毛に約200個の種がつくそうです。
タンポポの発芽率は、平地で80~90%程。
セイヨウタンポポの繁殖力ってすごいです!


<除去した植物その4:ヨモギ>
低地にあるヨモギと、高地にあるヨモギにも違いがあります。
こちらが「低地にある」ヨモギ。
葉の付け根に仮托葉と呼ばれる小さな葉があるのが特徴。
「低地にある」ヨモギ。
こちらは「高地にある」ヨモギ。
仮托葉がありません。

本来ある高山植物を間違えて採ってしまわないように、
ひとつずつ確認しながら、すべて人の手で除去していきます。
一度に全てを除去できるわけではないですし、大変根気のいる作業ですが、
この作業のおかげで立山一帯の高山植物は守られています。



午前中の作業だけでゴミ袋いっぱいになりました!

除去した植物は、除去本数を県の自然保護課に報告し、自分達で街まで
下ろしています。
定期的に作業していますので、周辺で外来植物を見かけても一般の方は
除去しないよう、お願いいたします。

この作業は日本各地の国立公園等で行われており、ボランティアの
募集もありますので、興味がある方はぜひご参加ください。
植物のことをもっと知りたいと思いますし、山をもっと身近に
感じることができますよ♪

れいり