2017年11月11日土曜日

上級者コース・下ノ廊下【最終回】ヘッドランプで雨の早出、欅平駅へ


第1話「台風の日、室堂からロッジくろよんへ」
http://tateyamagirl2450.blogspot.jp/2017/10/blog-post_28.html

第2話「注意☆黒部別山谷の整備箇所」
http://tateyamagirl2450.blogspot.jp/2017/10/blog-post_31.html

第3話「滝行しながら十字峡へ」
http://tateyamagirl2450.blogspot.jp/2017/11/blog-post_3.html

第4話「うつくしい東谷吊橋の紅葉」
http://tateyamagirl2450.blogspot.jp/2017/11/blog-post_6.html


 
第5話「阿曽原温泉小屋さんのワイルドな絶景露天風呂」

http://tateyamagirl2450.blogspot.jp/2017/11/blog-post_9.html


10月25日

いよいよ下ノ廊下も最終回

下の☆阿曽原温泉小屋さんから
上の☆の欅平駅までをリポートいたします





AM3:30

ツトン・ツトポン
ツトン・ツトポン

うそ、雨??

私の目を覚ましたのは
阿曽原温泉小屋さんの
トタン屋根に落ちる激しい雨音でした

来る前に見た天気予報は
晴れ続きだったのになぁ

仕方ない

静かにお布団を畳み、
荷物部屋(ザック置き場)へ向かいました



10月25日

阿曽原温泉小屋さんでは
寝床の消灯時間がありますが、
荷物部屋は
24時間電気が点くのです

早出する方には、
ありがたいですよね

出発の準備をしながら、
心に決めました

✨ よしっ、今日は禊デー 

罪穢れを落として
精神修養の山行にしよう

ご褒美は、
宇奈月温泉の日帰り入浴とビール
と気持ちを切り替えました


10月25日

外は結構な雨…

ソックスを保護すべくビニール袋を履き、
それから足首を輪ゴムで留め
トレッキングシューズを履きました

一緒に泊まっていた方の中には、
靴紐部分から雨が染みてこないよう、
養生テープを貼っていたりしましたよ
(なるほど~)

AM4:30
ヘッドランプをつけて出発

こんな雨の中、
獣は賢いから出歩かないだろうけど…

念ねんのため、
キャンプ場を過ぎてから
カウベルを取り出しました

真っ暗闇を照らすヘッドランプの視界に、
激しく横切る雨と
吐く息が白く広がりました


出だしはなかなかハードな登り

すぐに体が温まります



10月25日

濡れた石、木の根、誰よりも早い出発
単独行
すべて自己責任です

改めて気を引き締めると、
五感に「意識」を加えた六根
それこそ研ぎ澄まされるようでした

視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚、意識
六根清浄(ろっこんしょうじょう)

闇の中、
自分のカウベルが
錫杖の音のように想えました

夜明けまで約2時間
自分の弱い心に向き合います

だいぶ明るくなり…




撮影ポイント、とな?




心眼でご覧下さい💖


修行が足りず、見えませぬ

噂のヘッドランプ必携ポイントに到着




志合谷のトンネルは約150m

ヘッドランプを点けていても、
ひとりは心細いものですね




京都 清水寺の胎内巡りを思い出しました
前後に人がいないと、ホント怖いんですよ~




この日の足元の水かさは5~10cm
靴の防水対策をお忘れなく




難所も過ぎ、まもなく欅平駅のゴール

くぐり抜ける柱に
スポンジが巻かれています
愛を感じました💕

↓ 頭をぶつけても、衝撃が和らぎますね ↓




 下ノ廊下は
2日間緊張が連続するロングコース

水平道が終わると、
最後は欅平駅まで大きな段差の下りが続きます

疲れている足腰には、なかなかこたえますよ





9:10

無事、欅平駅に到着です






全6話の下ノ廊下
お付き合い下さり、ありがとうございました
スリル満点の絶景続きでしたね

次回は宇奈月温泉へ
http://tateyamagirl2450.blogspot.jp/2017/11/holo.html


🗻🗻 全国の山をふ~らふら おんな寅さん🗻🗻
torako



🐧 お・ま・け 🐧
ぜひ、下ノ廊下に行ってみたいという皆さまに
お伝えしておきたいこと


🌼 難易度

・上級者向け
・エスケープルート無し
・限られた開通期間、情報収集が必要
・長時間の緊張の連続
・通常はロッジくろよんさんに前夜泊し、
阿曽原温泉小屋さんに1泊2日のロングコース

しっかりと計画し、
ご自分のレベルを見極めて挑戦して下さいね
救助に向かうのも困難な場所です

🌼 装備・服装


前日が雨だったりすると、
岩壁の滴り水があちこち凄いです

・レインウェア(上下着っぱなしの方が多数)
・防水のグローブ(濡れた丸太のはしごが多いです)
・ヘッドランプトンネル、夜のお風呂、消灯後の山小屋で必要)
・ヘルメットを被っている方も多め
・カウベル(職場の山じいじさん、コース上で熊に遭遇)


またレインウェアの裾を、
丸太のはしご等の番線(針金/ワイヤー)に
引っ掛けないようご注意下さいね


🌼 ザック

・登山道が狭いので、極力コンパクトな縦長が◎
・引っかかる紐などが無いか確認
・ザックカバーは被せたままがおすすめ

🌼 靴の防水対策

・内側から靴下を保護するビニール袋や輪ゴム
・靴紐部分に養生テープを貼る
・大きなレジ袋を履いてトンネル内を歩く

などなど、みなさん工夫されていました

🌼 食事・行動食

・ゆっくり休憩を取れるのは、河原か十字峡手前のみ
・さっと食べれるものがおすすめ

🌼 スズメバチにご注意


整髪料や日焼け止めなど、
香りのしないものをおすすめします

🌼 圏外になりがち

あらためてですが、
山小屋には午後4時くらい(日没の2~3時間前)
までに到着するのがマナーです
大抵食事もいっせいに開始されます

山は午後お天気が悪化することも多く、
下ノ廊下が歩ける期間は日没も早いです

私が阿曽原温泉小屋さんにお世話になった日
午後5時を過ぎても、
連絡無しで到着する方が結構おられ、

「ついつい写真撮りすぎちゃってねー」
「連絡しなくてすいませーん」

悪びれる様子もありませんでした
特に、年配のグループが多かったです

小屋のスタッフさんたち
「こんなグループ見かけませんでした?」
と未着の方の情報を集め、
寒い外で心配されていましたよ

コースタイム・ご自身のレベルを把握し、
「前夜泊する」「早出する」など工夫し、
余裕を持った行動を心がけましょう

到着がどうしても遅くなりそうなのであれば、
早めに連絡を入れておくことも気配りですね

なお、圏外になりがちであることをお忘れなく

グループになると安心感が出て、
ついつい気持ちが大きくなりがちです

リーダーの方はご苦労が多いかと思いますが、
メンバーのわがままを叶えることより、
メンバーの命を守ることが大切なお仕事!

しっかりタイムキーパーをしましょう


💙 💙 💙 💙 💙 💙 💙

皆さまの山行が
安全で楽しいものになりますように

💙 💙 💙 💙 💙 💙 💙