松田勉氏による「立山の雷鳥の生態を探る」講演会と雷鳥の観察会がありました。
ライチョウが日本にやってきたのは約20,000年前。
日本に約3000羽いると言われているうち約1割がここ立山に生息しており、
立山では増減を繰り返しながら、安定した個体数を維持しているそうです。
約1時間の講演会の後はフィールドへ。 みくりが池の近くで見張りをしているオスに遭遇。 |
南アルプスや御嶽でも生息している雷鳥ですが、
その中でも立山に住む雷鳥の特徴としてあげられるのが、
最も多様な植生を営巣地として選択していることだそうです。
ほとんどの場所でハイマツだけですが、 立山では半分弱がハイマツ以外です。 |
繁殖ステージの進行は、残雪量に影響を受けているとのことでした。
理由は雪があるとヒナがかえっても食べる物がないからではないかとのこと。
ライチョウを見つけられなくても、
足跡が見つかればそこから分かることもありますよ👍
歩幅を見るとゆっくり歩いていたのか、急いで走っていたのか、
くっきり足型が残っている(画像左下)かそうでないかは、
足指の羽毛が冬から夏に変わったかどうかが分かるそうです。
講演の中で印象的だったのが
『自然のライチョウは私達人間を信頼してくれている』と言う言葉。
現在ライチョウは特別天然記念物に指定されていますが、
立山が信仰の山であり、『神の使い』として大切にされたこと、
江戸時代には加賀藩が捕獲を禁止したこと、など、
長い年月をかけて保護された結果が
現在のライチョウと人との関係を築き上げてきました。
こんな至近距離で撮影ができるのも 信頼関係が成り立っているから。 |
そのままの形で次の世代に渡していく努力をしなければいけないと思いました。
最近ターミナル付近でゴミが落ちていたり、
キャンプ場でも雪がとけたあとに、ゴミが出てくることがあります。
また、雪道と夏道が混在する今、雪がとけた場所は必ず遊歩道を歩いて頂き、
立山の植生を傷つけないようご協力お願い致します。
交通機関によって2450メートルまで来られることで
忘れがちになってしまうかもしれませんが、
ライチョウが生きているという貴重な自然の中にいることを感じ、
その自然を大切にして頂けたらと思います。
しおみん