先日、弥陀ヶ原でオオシラビソの球果ができているのを見つけました。
オオシラビソは日本の固有種です。
別名は『アオモリトドマツ』と言い、青森市では「市の木」に指定されています。
(ちなみに富山県の県木は「タテヤマスギ」です。)
中部地方から東北地方の亜高山帯に分布し、日本海側の雪が多い山で見られます。
中部地方の山岳地帯では、通常オオシラビソとシラビソが混生しているとのことですが、太平洋側の比較的雪が少ない山岳では、シラビソの方が多めとのこと。
(そう言われると、八ヶ岳などではシラビソをよく見かけますね。)
『球果』というより『まつぼっくり』と言った方が皆さんピンと来そうですが、
立山自然保護センターのブログによると、『まつぼっくり』というのはマツ属の球果のことを言うそうで、オオシラビソはモミ属。
元をたどるとマツ科までは同じですが、そこからマツ属とモミ属に分類します。
マツ属の球果は地上に落ちますが、モミ属は地上に落ちることはなく、
球果の芯が元にあった場所に残る形になるとのこと。
樹木の世界も奥が深いです…。
遠目に見ると、樹に鳥が留まっているようにも見えますね。 |
樹の高さは、弥陀ヶ原では見上げるほどに高い(約7~8m)ですが…
先日歩いた天狗平水平道のオオシラビソは、2mくらい。
弥陀ヶ原より気温も低く、生育環境が厳しいのか、低木です。
雪に押されたのか、斜面の谷側に傾いているものもあります。 |
幹の先端だけ葉がついていないのは、風雪に耐えた証?! |
多雪環境に適応した針葉樹林で、蔵王などで有名な樹氷を形成する主な樹も、
このオオシラビソです。
4~5月の弥陀ヶ原では雪の中に樹がすべて埋もれることなく、
クリスマスツリーがたくさん立ち並んでいるような風景をご覧いただけます。
ダケカンバや低木は、ほとんど雪の中に埋もれています。 (2017年4月撮影) |
まもなくやってくる紅葉シーズンは『樹木』にも注目ですですよ🍁
れいり